個人の損害保険の税務|FP2級Wiki

地震保険料と損害保険金について覚えましょう。地震保険料についてですが、火災保険に付帯するものでも対象となるのは地震保険のためだけに支払った部分となります。火災保険料は含まれませんので注意です。

       

地震保険料控除

地震保険の保険料を支払うと、一定の範囲で所得控除できる(所得税・住民税がお得になる)。

1.対象となる契約

自己および自己と生計を一にする配偶者その他親族が所有する居住用家屋
または生活に必要な生活用動産が補償の対象の保険・共済。

  • 保険期間2年以上の保険料を一度に支払った場合、年数で割ってそれぞれの年に適用できる。
  • 店舗併用住宅は、居住部分の保険料のみが地震保険料控除の対象になる。ただし、建物全体の90%以上が居住用の場合は全額対象にできる。
  • 別荘などの常時居住用でない場合や、賃貸アパートの所有者が支払った地震保険はいずれも対象にならない(普段そこに住んでないとダメってこと)。

2.控除額

  • 所得税:年間払込保険料の全額(最高5万円)
  • 住民税:年間払込保険料の半額(最高2万5,000円)

3.長期損害保険契約等の経過措置

2006年までに締結した長期損害保険契約等(10年以上の満期返戻金のある契約)の保険料を地震保険料控除の対象にできる。

  • 所得税:最高1万5,000円
  • 住民税:最高1万円
  • ここで算出した控除額は上記の地震保険料控除内に含めることができる(最高限度が増えるわけではない)
  • 長期損害保険契約の経過措置となる火災保険(つまり古い火災保険)に地震保険が付帯された契約の場合、「地震保険料」または「長期損害保険契約の経過措置」のどちらか一方の控除しか受けられない。
  • 経過措置対象契約は2007年1月1日以後に契約や保険料に変更があった場合、その年から対象外(地震保険の付帯はOK)
       

2.保険金と税金

非課税になる保険金や給付金

損害保険は受けた(もしくは与えた)損害を補填する(保険金で儲かる訳ではなく補う)事が目的なので、そのほとんどが非課税となる。

  • 自分の所得にならないもの(他人に支払う対人・対物賠償保険金など)
  • 損害賠償金系のもの(無保険車傷害保険金、人身傷害補償保険金の賠償金に該当する部分等)
  • 資産の損害を補填する目的の保険金(火災保険、車両保険金等)
  • 身体の傷害・障害に対して支払われる補償(傷害(家族傷害も)保険金・後遺障害保険金・医療費用・所得補償等)で本人以外の親族受け取りも対象

課税対象の保険金や給付金

損害保険で課税対象となる場合は、基本的に生命保険金の課税関係と同じになる。

  • 傷害保険・自損事故保険・搭乗者傷害保険・人身傷害補償保険などの死亡保険金で賠償金以外の部分
  • 満期返戻金・解約返戻金・年金給付金

傷害保険の死亡保険金の課税関係については、生命保険の死亡保険金と基本的に同じになります。06.個人の生命保険の税務 - FP2級Wiki (fpwiki.com)

人身傷害補償保険の保険金の構成について

事故の相手側からの損害賠償金の性格を有する部分と傷害保険契約部分(自己の過失部分)とに分けられる。

相手の過失部分から支払われるべき賠償金部分非課税
自己の過失部分で自身への傷害保険金非課税
自己の過失部分で自身への死亡保険金課税(所得税・住民税・贈与税・相続税いずれかの課税対象)

外部リンク:国税庁HP,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。2022年1月試験 学科 問18

個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 契約者である被保険者が不慮の事故で死亡し、その配偶者が受け取った傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
  2. 自損事故で被保険自動車である自家用車を損壊して受け取った自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしなくとも、非課税となる。
  3. 自宅の建物と家財を対象とした火災保険に地震保険を付帯して加入した場合、火災保険と地震保険の保険料の合計額が地震保険料控除の対象となる。
  4. 2021年10月に加入した所得補償保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。

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解答

助手のウィキ子

火災保険は当然、地震保険料控除の対象外ですよー。