財産評価|FP2級Wiki

ここではFP2級試験に登場する様々な資産(金融資産・宅地・宅地上に存する権利・建物)の評価法を学びます。
計算法がそれぞれあります。しっかり学んでいきましょう。

1.財産評価の原則

相続税や贈与税を計算する場合の財産の評価額は、相続税法では取得時の時価と定めている。
具体的な算定方法についても種類別に詳細に定められている。
課税時期は、相続や遺贈なら原則死亡日。贈与ならば贈与を受けた日となっている。

2.金融資産等の評価

金融資産に分類される、預貯金、ゴルフ会員権、生命保険、株式等の評価です。

預貯金

  • 定期預金以外のもの:預入残高
  • 定期預金等:預金残高+既経過利子の額-源泉徴収税額

取引相場のあるゴルフ会員権

通常の取引価格×70%

生命保険契約に関する権利

生命保険の権利額は、課税時期の解約返戻金相当額
(生命保険の権利額とは、被保険者が生存中で保険料負担者が先に死亡した場合の保険の評価額)

上場株式・ETF・J-REIT(不動産投資信託)

次の中から最も低いものとなる。

  • 課税時期のその日の終値
  • 課税時期の月の当月の毎日の終値の平均
  • 課税時期の月の前月の毎日の終値の平均
  • 課税時期の月の前々月の毎日の終値の平均

上場されている利付債

(最終価格+既経過利子の額-源泉徴収税額)×(券面額÷100円)

個人向け国債

課税時期に中途換金した場合に実際に金融機関から支払われる価額

3.宅地の評価

1.評価単位

宅地の評価は複数の筆であっても、逆に1筆を複数が利用している場合でも利用単位1画地(区画)ごとに、実際の地目、面積により評価する。
利用単位とは自用地、借地権、貸宅地、貸家建付地等をいう。

2.宅地の評価方法

評価方法には路線価方式倍率方式があり、国税局長が指定している。主に都市部は路線価方式、郊外は倍率方式。

1.路線価方式

路線価方式は、市街地内の道路ごとに付された標準的な価額(1㎡あたり千円単位)に基づき、その道路に面した宅地を評価するというもの。宅地の形状等による補正を行って計算する。路線価は路線価図として公表されている。

①1つの道路にしか面していない宅地の場合

道路から奥まっていくほど価値が逓減すると考えられるため、奥行価格補正率を乗じる。

評価額=路線価×奥行価格補正率×地積(土地の面積のこと)

②角地の場合

角地は道路が2面あるため①の場合よりも利用価値が高い。加算率を加味した評価になる。

評価額=(正面路線価×奥行価格補正率+側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)×地積

③裏面も道路に面している宅地

裏面が道路というのも2面なので利用価値が高い。加算率を加味した評価になる。

評価額=(正面路線価×奥行価格補正率+裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率)×地積

④不整形な宅地

不整形地は以下の補正率も利用して評価する。

  • 間口が狭小:間口狭小補正率
  • 奥行が長大:奥行長大補正率
  • 崖地を含む:崖地補正率
  • 不整形な宅地:不整形地補正率

2.倍率方式

評価額=固定資産税評価額×国税局長の定めた倍率

倍率はその土地ごとに指定されており、評価倍率表により公表されている。

固定資産税評価額には宅地の個別事情が既に反映されているため補正率は使用しない

4.宅地の上に存する権利の評価

自用地

自宅敷地や更地、青空駐車場、自己の事業所の敷地、使用貸借により貸し付けている敷地など。
評価額は先述の宅地の評価方法となる。

普通借地権

建物所有を目的として土地を借りている人の借地権

評価額=自用地評価額×借地権割合

貸宅地は借地人に貸している土地のこと。底地とも言います。借地権は借地人が土地を借りている価値ともいうべきものです。同じ土地で権利を分け合っているのでお互いの価額を足すと必ず100%(元々の自用地価額)になります。他の形態の土地についてもそうですが、一つの土地の価値が変わるわけではないので、どんな土地でもかならず権利者同士の金額を合計すれば自用地価額と同じになります。そこを混乱しないようにしましょう。
ちなみに借地権割合は地域ごとに国税局長が定めています。

貸宅地

借地権が設定されている土地

評価額=自用地評価額(1-借地権割合)

貸家建付地

宅地所有者が建物を建て、建物を貸し付けている場合の宅地(賃貸アパートの敷地など)の評価。

評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

借家権割合は国税局長が定めていて30%。賃貸割合は満室なら100%。一時的な空室であれば空室とみなさない。
ちなみにFP試験では賃貸割合は100%で出題される。
本来の土地の価格から「借家権割合を除いた借地権」を引いた金額。借地してる人が部屋を貸してるのでその分借地権が弱まると解釈してます。
そして土地の合計は100%になる仕組みですから、借地権が弱まった分、貸家建付地の割合が増えるというわけです。

貸建付借地権

賃貸アパートなどに使っている借地権の評価。

貸家建付借地権の価額=自用地価額×借地権割合×(1ー借家権割合×賃貸割合)

通常の借地権の評価から借家権割合を引いた金額。貸家建付地を同じく、部屋を貸している分借地権が弱まるのかなと。

5.私道の評価

私道として使っている宅地は割り引いて評価する。

私道=自用地価額×0.3

ただし、不特定多数の者の通行に使われている私道は評価をしない
逆に自分の通行のみに使っている土地は私道にはならず、宅地として評価する。

6.建物の評価

自用家屋

自用家屋の価額=固定資産税評価額

建築中の家屋

建築中の家屋の価額=費用現価の額×70%

費用現価の額とは、課税時期(被相続人の死亡日、贈与財産の取得日)までに建物に投下された建築費用の額を、課税時期現在の価額に修正した合計額のこと。

貸家

貸付の用に供されている建物の評価

貸家の価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

借家権

借家権については基本、相続税や贈与税の課税価格には算入しないこととされている。
(※借家権が権利金等の名称で取引されている慣習がある地域だけは別)

参考:国税庁HP財産評価,スタディング FP講座

財産評価に関する過去問を解いてみましょう。2021年1月試験 学科 問56

相続税における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 宅地の価額は、その宅地が登記上は2筆の宅地であっても一体として利用している場合は、その2筆の宅地全体を1画地として評価する。
  2. 宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあり、どちらの方式を採用するかについては、納税者が任意に選択することができる。
  3. 倍率方式によって評価する宅地が不整形地である場合の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額に一定倍率を乗じた価額に宅地の形状に応じた補正率を乗じて算出する。
  4. 二方面に路線がある角地を路線価方式によって評価する場合、それぞれの路線価に奥行価格補正率を乗じた価額を比較し、低い方の路線価が正面路線価となる。

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解答

助手のウィキ子

2は国税局長が指定しているので✕
3は倍率方式は補正率は使用しないので✕
4は高いほうが正面になるので✕
です(`・ω・´)ゞ