非上場株式の評価|FP2級Wiki

非上場株式について学習します。
国内で非上場のところは非常に多いです。その評価方式についてしっかり学習しましょう。
FP試験でのイメージは中小企業です。
ご近所にありそうな非上場の株式会社を頭に浮かべながら読み進めていくといいと思います。

1.非上場株式の評価の考え方

非上場株式の評価の考え方です。

「取引相場のない株式」を取得した株主が、その会社の経営支配力を持っている同族株主等か、それ以外の株主かの区分により、それぞれ同族株主は「原則的評価方式」、同族株主以外は「特例的評価方式(配当還元方式)」で評価が分かれていきます。

  • 同族株主等が取得:原則的評価方式で評価
  • 同族株主等以外が取得:特例的評価方式で評価

2.非上場株式の評価方法の判定

非上場株式の評価方式は大きく2パターンです。

原則的評価方式では、評価する株式を発行した会社の規模を「従業員数・総資産価額・取引金額」により、大会社、中会社又は小会社のいずれかに区分して、原則としてそれぞれ、類似業種比準方式、類似業種比準方式と純資産価額方式との併用、純資産価額方式によって評価をします。
対して特例的評価方式配当還元方式により評価する。
なお、「特定の評価会社」に限り、会社の規模に関係なく純資産価額方式を用います(これは後述)。

※ちなみに一般的には純資産価額方式よりも類似業種比準方式のほうが価値を低く見積もれるので有利とされています。株の価値というのは、投資家としたら上昇して欲しいところですが、会社側としたらできるだけ下げたほうが何かと有利なんだというイメージを持っておいてください。

原則的評価方式

会社規模原則的評価方式
大会社原則、類似業種比準方式
(純資産価額方式の選択可)
中会社原則、併用方式
(純資産価額方式の選択可)
小会社原則、純資産価額方式
(併用方式の選択可)
特定の評価会社原則として純資産価額方式

特例的評価方式

配当還元方式で評価する(原則的評価方式の方が低い時は原則的評価方式を選択して良い)。

3.非上場株式の評価方式

1.類似業種比準方式

類似業種比準方式は名のごとくで、評価しようとする会社に相場がない(非上場だから)ので、事業が類似する上場会社の株価に比準して株式の価額を求めようというものです。配当・利益・簿価純資産(この3要素を比準要素という)の3要素で、その株式の評価額を求める方式である。
会社の業績の反映である配当・利益・簿価純資産の高い会社は評価が高くなる。

計算式

式に当てはめる項目はそれぞれ以下のとおり

類似業種(比較対象)とはABCD
基本的には評価会社の
事業が該当する業種目
類似業種の株価1株当たりの
年配当金額
1株当たりの
年利益金額
1株当たりの
純資産価額
評価する会社bcd
50円あたりの金額1株当たりの年配当金額
前2年間の平均。非計上的なものは除く
1株当たりの年利益金額
直前期1年間または前2年間の平均
1株当たりの純資産価額
直前期末の簿価純資産価額
大会社中会社小会社
斟酌(しんしゃく)率0.70.60.5

2.純資産価額方式

純資産価額方式は、課税時期に会社を解散して会社財産を処分し清算したとして、現金化して払い戻しがいくらあるのかを計算し、これを評価額とする方式である。資産に対して帳簿でつけている価額は購入時の価額で現在価値ではありません。売却によって出る利益にかかる税金はしっかり引いてその価値を求めます。言葉にすると分かりにくいので箇条書きにしました。

  • 相続税評価額による純資産価額=相続税評価額による資産の合計-負債の合計(現金化した際の総現金を出しています)
  • ②帳簿価額による純資産価額=帳簿価額による資産の合計額-負債の合計額(売却する前の帳簿上の金額を出しています)
  • ③評価差額に相当する金額=①ー②(差額を求めて、売却益を求めています)
  • ④評価差額に対する法人税相当額=③×37%(37%というのは法人税額等相当額です。売却益に課税しています)
  • ⑤課税時期現在の純資産価額=①ー④(最初に出した現金化した際の総現金から売却益にかかる法人税を差し引いています)
  • 課税時期現在の1株あたりの純資産価額=⑤÷課税時期現在の発行済株式数(自己株式除く)(法人税を引いた総合計を株式数で割って答えを出します)

3.併用方式

併用方式は類似業種比準方式純資産価額方式で算出したそれぞれの評価額を「L(エル)」という一定の割合で加重平均して評価額を算出する方式。中会社以下が適用することになる。

類似業種比準価額×+純資産価額×(1-)=併用による評価額

Lの割合

中会社の大中会社の中中会社の小小会社
0.900.750.600.50

4.配当還元方式(特例的評価方式)

特例的評価方式に該当した会社の株式は配当還元方式によって株価を算出します。
配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元して元本である株式の価額を求めようとする方式である。

配当還元価額=(その株式に係る年配当金額÷10%)×(1株あたりの資本金等の額÷50円)

「その株式に係る年配当金額」は1株当たりの資本金の額を50円とした場合の金額で、課税時期直前期以前2年間の平均とする。平均額が2円50銭未満の場合は2円50銭とする。
なお、原則的評価方式のほうが低くなる場合には原則的評価方式による。

4.特定の評価会社

同族株主等が取得する特定の評価会社(土地や株式等を多く保有している会社等)の株式は、
その会社規模にかかわらず原則として純資産価額方式により評価額を求める。
主な特定の評価会社は次のとおり。

土地保有特定会社

土地ばっか持ってる会社。節税のために別に資産管理会社を作ったんじゃないの?って疑われるやつ。

相続税評価額での土地保有割合が次に該当する会社

  • 大会社:70%以上
  • 中会社:90%以上
  • 小会社:総資産価額に応じて異なる

株式等保有特定会社

株ばっか持ってる会社。節税のために別に資産管理会社を作ったんじゃないの?って疑われるやつ。

相続税評価額での株式保有割合が50%以上の会社

その他

  • 開業後3年未満の会社
  • 類似業種比準方式の3要素がすべて直前期末においてゼロの会社
  • 同じく3要素のうち、直前期および直前々期において2つ以上がゼロの会社
  • 開業前、休業中、清算中の会社

外部リンク:国税庁,スタディング FP講座

それでは過去問を解いてみましょう。2019年1月試験 学科 問58

相続税における取引相場のない株式の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 配当還元方式による株式の価額は、その株式の1株当たりの年配当金額を5%で還元した元本の金額によって評価する。
  2. 会社規模が小会社である会社の株式の原則的評価方式は、純資産価額方式であるが、納税義務者の選択により、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式で評価することもできる。
  3. 類似業種比準価額を計算する場合の類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3ヵ月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いものとするが、納税義務者の選択により、課税時期の属する月以前3年間の類似業種の平均株価によることもできる。
  4. 純資産価額を計算する場合の「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」の計算上、法人税等の割合は、40%となっている。

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解答

助手のウィキ子

非上場株式の評価方法ですね。
小会社の場合は原則純資産価額方式ですが、
納税義務者が選択してもいいよーってことになってます。
非上場株式の評価は1級でも難しいんですよ♪