法人税|FP2級Wiki

FP2級では法人税の基本的な仕組みと損金算入と損金不算入の違い、法人税の減価償却を学習しましょう。

1.事業年度と納税地

法人税の事業年度は、法令または定款等に会計期間が定めてある場合、その会計期間(1年以内)とする。
(なんとなく4月ー翌年3月と思いがちですが必ずしもそんなことはない)
法人税の納税地は、原則として、法人の本店または主たる事業所の所在地である。

2.法人税の計算

1.所得金額

法人税の課税所得金額は益金から損金を控除して計算します。
ただ、実際には益金から損金を控除して計算するのではなく、
企業会計の損益計算書で収益から費用を控除して計算した当期純利益金額に、
企業会計法人税の異なる部分を調整(加算、減算)して、
法人税の課税所得金額を計算する事になります。

実務上、この計算は「法人税申告書別表四」において行われる。

課税所得金額=損益計算書の当期(純)利益+加算項目(益金算入・損金不算入)-減算項目(損金算入・益金不算入)

Wiki技能士

法人税法上の損益と企業会計上の損益って考え方が一部違うから、
略式別表四を使ってその違っている部分を直して計算しようって事なんだね(^^♪

企業会計の損益計算書がなにか検索してみる

2.税率

課税所得金額に対する法人税の税率は一律23.2%の比例税率だが、
中小法人(期末資本金1億円以下)は年800万円以下の所得金額の部分は15%に軽減される。

資本金1億円超および相互会社税率
所得区分なし23.2%
中小法人(資本金1億円以下)税率
800万円以下の部分15%
800万円超の部分23.2%

3.地方法人税

法人税の納税義務がある法人は、地方法人税の納税義務者となる。地方法人税は課税標準法人税額に10.3%を乗じた額となる。

3.申告と納付

1.確定申告

法人税の確定申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内である。
納付期限も確定申告書の提出期限までである。

2.青色申告

法人税にも青色申告制度はある。
青色申告を受けようとする事業年度開始の日の前日まで
(新設法人は設立した日以後3ヵ月を経過した日と設立後最初の事業年度終了の日のうちいずれか早い日の前日まで)
に青色申告承認申請書を提出する必要がある。

青色申告の特典は以下のとおりである。

欠損金の繰越控除(原則)

青色申告した年度の欠損金は翌期以降10年間繰り越すことができる。
控除できる金額は、中小法人なら繰越控除前所得金額の100%
中小法人以外は2018.4.1以降開始事業年度の場合は原則として50%までとなる。
(原則だけ説明しています。より細かく学びたい人は1級サイトの「13.法人税の概要」をご覧ください)

欠損金の繰り戻し還付

中小法人は青色申告書を提出した事業年度の欠損金額を前年度の所得に繰り戻して、前年度分の法人税額の還付を受けることができる。

4.益金

企業会計上の収益と法人税法上の益金は若干の違いが生じる。算入と不算入を解説します。

1.受取配当等の益金不算入

法人が内国法人から配当等を受けた場合、企業会計では収益になるが、法人税法では一定の金額は益金に算入しない。

受取配当等の益金不算入の額=①+②+③+④

完全子法人株式等に係る配当額
関連法人株式等に係る配当額-控除する負債利子※
その他の株式等に係る配当額×50%
非支配目的株式等に係る配当額×20%

※事業年度に支払う負債利子額を一定の算式で計算した金額(2022年4月1日以後は配当額×4%(負債利子額の10%が限度))

2.還付金の益金不算入

法人税・道府県印税・市町村民税は課税所得金額の計算上、損金の額に算入しないので、これらの還付金があっても益金に算入しない

ただし、還付加算金や事業税、地方法人特別税の還付金は益金となる。

3.受贈益および債務免除益

法人が金銭や物品、固定資産の贈与を受けるなどした場合、時価相当額をその期の益金として算入する。
また、時価より低額で譲渡を受けたり、役務の提供を受けた場合はその差額を益金算入する。

法人が債務免除を受けたときも債務免除益として益金算入する。

5.損金

1.減価償却費

法人税法上、損益の額に算入される金額は、法人が減価償却費として損金経理した金額のうち、償却限度額以下の金額である。
減価償却の方法は、資産の種類ごとに定額法定率法を選択する。
選択しない場合は法定償却法の定率法が適用される。
ただし、1998.4.1以後に取得した建物や、2016.4.1以後に取得した建物付属設備および構築物の減価償却方法は定額法のみとなる。

取得価額が少額の減価償却資産

取得資産償却の時期
少額の減価償却資産
(使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満)
全額必要経費に算入する(強制償却)
青色申告者で資本金
1億円以下の中小企業者の③※
全額損金(取得価額30万円未満年間300万円限度)にできる
一括償却資産(取得価額20万円未満)3年間均等償却できる
※連結法人および常時使用する従業員の数が500人を超える法人はのぞく

2.交際費等

交際費等の額のうち得意先等との一定の飲食費(社内接待費を除く)の額の50%相当額については、原則、損金の額に算入することができる。
中小法人は、年800万円までの交際費等について損金の額に算入できる定額控除限度額との選択適用となる。

交際費等の損金算入限度額
損金算入限度額
中小法人①飲食費×50%
②年800万円
いずれか多い額
大法人飲食費×50%
※資本金が100億円超の大法人になると全額不算入になります(会社おっきすぎ)

1人当たり5,000円以下の得意先等との一定の飲食費は、交際費から除かれる。

3.租税公課

租税公課とは税金や地公体への会費や罰金、社会保険料等を総称したものです。
法人が納付する租税公課のうち、損金の額に入るのと入らないのの区分は以下のとおり。
全般的にペナルティ的に発生した税は不算入ということ。

損金算入

事業税・固定資産税・都市計画税・登録免許税・自動車税・印紙税・消費税

損金不算入

法人税・住民税・延滞税・過怠税・加算税・交通反則金・源泉所得税※・利子割

※法人が預金の利子を受け取る際に源泉徴収された所得税は、所得税額控除として法人税の額から控除できる。

4.寄付金

地方公共団体に対する寄附金は全額が損金の額に算入され、一般の寄附金などは一定額まで損金の額に算入される。

5.役員給与

役員給与の損金算入

役員給与のうち、次のいずれかに該当する場合は、損金の額に算入される。
ただし、いずれの場合も不相当に高額な部分の金額は損金額に反映されない。

定期同額給与

支給時期が1ヶ月以下の一定期間ごとである定期給与のこと。
その事業年度の各支給時期における支給額、または支給額から源泉税額等の額のを控除した手取り額が同額であるものをいう。
事前届出は不要で損金算入が認められる。
会計期間開始の日から3ヵ月経過までに改定された場合等を除き、年度途中で改定すると原則として該当から外れてしまう。

事前確定届出給与

所定の時期に確定した額を支給する旨の定めに基づいて支給される一定要件を満たす給与。
あらかじめ税務署への届け出が必要で、届け出た金額と異なる場合は原則として全額損金不算入になる。

業績連動給与

業務執行役員に対して支給する業績連動型の給与で、非同族会社であること。また、同族会社の場合は同族会社以外の法人との間にその法人による完全支配関係があるものに限り、一定の要件を満たす給与を損金算入できる。

使用人兼務役員賞与

使用人兼務役員として一定の要件を満たす者に支給した賞与のうち、使用人分については、一定の要件を満たす場合に損金算入される。

役員退職給与

役員に対して支給する退職給与の額のうち、不相応に高額な部分の金額は損金算入されない
不相当かどうかの判断の代表的な算定方法に、下記の功績倍率方式がある。

適正な役員退職金の目安=最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率(+功労金)

6.個人と法人との比較

個人(所得税)法人(法人税)
課税期間暦年任意(1年以内)
税率超過累進税率比例税率
届出をしない場合の
減価償却方法
定額法定率法(建物等を除く)
減価償却強制償却任意償却
事業のために支出した交際費全額を必要経費に算入できる一定の部分を損金算入
純損失・欠損金の
繰越控除期間
最長3年間最長10年間
申告期限所得税:翌年2月16日~3月15日
消費税:翌年3月31日まで
法人税・消費税
事業年度終了翌日から
原則2ヵ月以内

外部リンク:スタディング FP講座

それでは過去問を解いてみましょう。2021年9月試験 学科 問38

法人が納付した次に掲げる税金のうち、法人税の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されるものはどれか。

  1. 法人税の本税
  2. 法人住民税の本税
  3. 法人事業税の本税
  4. 法人税を延滞したことにより支払った延滞税

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解答

Wiki技能士

4-3の租税公課の項目をしっかり読み直しお願いします!