株式投資の基礎知識|FP2級Wiki
ここでは株式投資の基礎となる売買の法則や投資指標について学びます。
株式投資は専門的なので少しずつ頭に入れていきましょう。
特に信用取引と相場指標の種類が重要です。
1.国内の証券取引所
売買を行う証券取引所は全国に現在4カ所あります(先物などのデリバティブ市場のぞく)。
取引所ごとで取り扱う市場(マーケット)と株式が違うのですが、重複上場するケースが多く、
さらに電子取引により重複上場すら必要性がなくなってきたため、東京集中になりそうな流れです。
- 東京証券取引所:プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3市場
- 名古屋証券取引所:名証1部・名証2部・セントレックスの3市場
- 札幌証券取引所:本則市場とアンビシャスの2市場
- 福岡証券取引所:本則市場とQ-Boardの2市場
2.株式売買
1.指値注文と成行注文
- 指値注文:売買価格を指定する注文。買値の上限、売値の下限を決めて売買する。その金額を越えては売買しない。
- 成行注文:売買価格を決めない注文。いくらでもいいから買う。売る。最優先で売買されるが、相場の急激な変動で損することもある。
この2つの注文は、以下の売買の法則に則って行われる。
- 価格優先の原則:同じ売り注文では呼び値の低いほうを優先、同じ買い注文では呼び値の高いほうを優先するというもの。
- 時間優先の原則:取引所に集まる注文の中で、同じ注文が重なった場合、先に注文したほうを優先するというもの。
2.単元株制度
取引の売買単位となる株数を単元株といい、全国の証券取引所では100株単位で統一している。また、1単元株当たり1議決権がある。
①株式累積投資(るいとう)
投資家が決めた同一銘柄の株を、毎月一定金額(1万円以上100万円未満)で買い付けていく積立方式の投資方法(ドルコスト平均法)。投資銘柄は証券会社が選定した中から自由に選ぶことができる。
②株式ミニ投資
通常100株単位でしか買えない株式ですが、10分の1の10株単位で買えるようにするのがミニ株です。指値注文はできない。
3.決済日(受渡日)
代金受け渡しは、約定日(売買成立日)から起算して3営業日目。
4.信用取引
証券会社に取引の3割程度の委託保証金を差し入れ、買付に必要な資金を証券会社から借りて買付したり、売付に必要な株式を借りて売付(俗にいう空売り)したり、元々の資金よりも大きな売買を行う取引。借りている分、金利コストが発生する。
担保として差し入れる委託保証金は国債や上場株式などの有価証券でも代用できる(非上場株式は不可)。
金額は約定価額(取引金額)の30%以上で最低30万円と定めているのが一般的。
少ない手元資金で大きな取引ができるため、レバレッジ(てこ)効果が期待できるが、当然、損失にもレバレッジが掛かるため多額の損失を被ることもある。
信用取引には制度信用取引と一般信用取引の2種類が存在します。
制度信用取引
金融商品取引所(証券取引所や金融先物取引所のこと)が定めた制度に従って行う信用取引。返済期限が最長6ヶ月と決まっている。取引できる銘柄が制度によって決められているが、買方・売方金利は各証券会社が定めている。
一般信用取引
売買の規則を証券会社が自由に決めることができる信用取引。取引銘柄は上場全銘柄から証券会社が自由に選べる。返済期限は無いが、設定されることがある。
3.主な相場指標
令和4年4月4日から下記の表の指標が加わった。従来の指標も継続しながら徐々に新しいものに移行していきます。
東証プライム市場指数 | 東証スタンダード市場指数 |
東証グロース市場指数 | 旧東証市場第一部指数 |
東証グロース市場Core指数 | 東証スタンダード市場TOP20 |
東証プライム市場コンポジット指数 |
日経平均株価は株価水準の高い銘柄の影響を受けやすく、東証株価指数は時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい。
単純平均株価
上場銘柄の株価を合計し銘柄数で割ったもの。
日経平均株価(日経225)
東証プライム市場の代表225銘柄の合計を割って算出される修正平均株価。年に一回銘柄を見直す。
東証株価指数(TOPIX)
旧東証一部上場全銘柄が対象。浮動株ベースの時価総額加重型。
R4.4.4以後も継続。算出方法の見直しを2022年10月~2025年1月にかけて段階的に行い、最終的に除外する予定。
JPX日経インデックス400
東証のプライム・スタンダード・グロースから絞り込んだ400銘柄を元に算出する。浮動株調整時価総額加重型。
東証グロース市場250指数(旧:東証マザーズ指数)
東証グロース市場に上場する内国普通株式を対象。浮動株ベースの時価総額加重平均型。上場時価総額上位250銘柄と一部新規上場した銘柄が構成銘柄となる。
東証REIT指数
東証に上場しているREITすべてを対象。時価総額加重平均型。
ダウ平均株価
アメリカのさまざまな業種の代表銘柄を対象。株価平均型株価指数。種類はひとつではなく、ダウ工業株30種平均、ダウ輸送株20種平均、ダウ公共株15種平均の3種類と、すべてをあわせたダウ総合65種平均がある。
S&P500種株価指数
ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSEアメリカン、NASDAQに上場している代表500銘柄から構成する時価総額加重平均型。
NASDAQ総合指数
アメリカのNASDAQ市場全銘柄を対象。時価総額加重平均型。
外部リンク:日本証券業協会,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。2021年5月試験 学科 問25(改題)
株式市場の各種指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 日経平均株価は、東京プライム市場に上場している内国普通株式全銘柄を対象として算出される。
- JPX日経インデックス400は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の普通株式のうち、時価総額やROEといった指標等により選定された400銘柄を対象として算出される。
- 東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投資信託のうち、時価総額上位10銘柄を対象として算出される。
- S&P500種株価指数は、ロンドン証券取引所に上場している代表的な銘柄のうち、時価総額上位500銘柄を対象として算出される。
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解答
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市場再編がありましたので少し改題してあります。よろしくお願いします(^^)/