倫理と関連法規|FP2級Wiki
倫理と関連法規について学ぶ事はFPの基本中の基本。この先FP1級でも必要となる知識です。
税理士、保険募集人、金融商品取引業者などに関わる業務で、
FPがプランニング等で行ってよい行為、ダメな行為。これらを判別できるようにしましょう。
FPの職業的原則
①顧客利益の優先
FPはプランニングする際に顧客の利益を最優先とし、FPの利益を優先してはならない。
②守秘義務の遵守
FPは業務上知りえた情報を、第三者に許可なく漏らしてはいけない。
③顧客に対する説明義務(アカウンタビリティ)
FPはプランニングや商品販売の際に、顧客が適切な情報を選別できるよう法令で定められた説明義務がある。
④コンプライアンスの徹底
FPは金融商品取引法を遵守し、弁護士や税理士などの各専門分野の領域を侵さぬ範囲でプランニング業務に臨まなければならない。
関連法規
1.税理士法
個別具体的な税務相談、税務書類の作成、税務代理行為は税理士法に触れるためにFPは行えない。
一般的な税法の解説は税務相談に該当しないため抵触しない。
2.保険業法
保険募集は総理大臣の登録が必要です。しかし、契約ではなく保険商品の特徴や活用の説明や保障額の試算は可能です。
3.金融商品取引法
投資顧問契約に基づく投資助言、投資一任契約業務は総理大臣の登録が必要。
過去の株価や騰落率など、投資判断の一般的な資料を提供することは登録がなくてもできます。
4.社会保険労務士法
行政機関等に提出する申請書の作成提出代行は社会保険労務士の独占業務となります。
社労士でなくても年金の試算や年金制度の説明はできる。
5.弁護士法
弁護士や弁護士法人でなければ法律事務を行うことはできない。
弁護士でない場合は個別具体的な法律相談については単独で法律判断することはできないので、
法的処理は弁護士に依頼することになる。
法律の一般的な解説や、公正証書の証人になったり任意後見人になることはできる。
6.司法書士法
登記・供託に関する各種手続きの代理、法務局や地方法務局に提出する書類の作成、
およびこれらの事務相談が司法書士法で定められている。また、司法書士は簡易裁判所の一定の訴訟代理もできる。
ひとまず、登記といえば司法書士と覚えてください。
司法書士でなくても公正証書の証人になったり任意後見人になることはできる。
7.宅地建物取引業法
宅地建物取引業を業として行うためには免許を受けなければいけない。
外部リンク:きんざいHP,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。2021年1月試験 学科 問1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
- 社会保険労務士の資格を有しないFPのAさんは、顧客から公的年金の老齢給付の繰上げ受給について相談を受け、顧客の「ねんきん定期便」の年金受取見込額を基に、繰り上げた場合の年金額を試算した。
- 金融商品取引業の登録を受けていないFPのBさんは、顧客から確定拠出年金の個人型年金(iDeCo)について相談を受け、iDeCoの運用商品の特徴について説明した。
- 税理士の資格を有しないFPのCさんは、顧客からふるさと納税について相談を受け、寄附金控除の仕組みについて説明した。
- 司法書士の資格を有しないFPのDさんは、住宅ローンを完済した顧客から、抵当権の抹消登記について相談を受け、申請書を作成して登記手続を代行した。
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解答
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登記・供託に関する手続の代理、法務局に提出する書類の作成この2つの業務は司法書士の独占業務よー!アウトー!
倫理と関連法規