金融商品取引の関連法規|FP2級Wiki

金融サービス提供法と消費者契約法、金融商品取引法などの関連法規について学びます。
金融サービス提供法は最近名前が変わりました(旧:金融商品販売法)。
あやしい勧誘から顧客を守ったり、もめごとを解決したり、犯罪を未然に防止したり、いろんな事を守る法律たちです。

1.金融サービス提供法(旧金融商品販売法)

1.対象となる金融商品

金融商品販売に係る契約。預貯金、信託、保険、有価証券、デリバティブ取引、外国為替証拠金取引(FX)など幅広く対象。
(国内商品先物取引、金地金は対象外)

2.対象となる顧客

個人および法人(特定顧客(金融商品取引法上の特定投資家)除く)

3.金融商品販売業者等の重要事項の説明義務

業者は販売するまでの間に顧客への重要事項の説明義務がある(顧客から不要と言われた場合は省略できる)。

主な説明義務

  • 元本割れのリスク
  • 信用リスク(倒産とか)
  • 取引の仕組みの重要な部分
  • 権利行使期間や解約期間の制限

適合性の原則

重要事項の説明は、顧客の知識・経験・財産の状況・契約締結の目的に照らして、顧客に理解されるために必要な方法・程度で行う。

4.断定的判断の提供の禁止

将来における価額、将来の受取金額、その他の将来の変動が不確実な事項について断定的な判断を提供することは禁止。

5.説明義務違反等に対する損害賠償責任

業者が顧客に重要事項を説明しなかったとき、または断定的判断の提供を行って損害を生じさせた場合に損害賠償責任(無過失責任)を負う。その場合、元本欠損額をその損害額と推定する。

無過失責任:損害について加害者に故意や過失が無くても損害賠償責任を負う

6.勧誘方針の策定・公表

業者は、あらかじめ次の事項について勧誘方針を策定・公表しなければならない。

  • 顧客の知識・経験・財産の状況に照らして配慮すべき事項
  • 勧誘方法・時間帯について配慮すべき事項
  • 勧誘の適正化の確保に関する事項

金融サービス仲介業者の創設(2021.11改正)

2021.11の改正で金融サービス仲介業者が創設されました。
仲介業者は1つの登録でデジタル機器などを介して銀行、ローン、証券、保険サービスを一括提供できるようになります。
ただし、それだと顧客保護が維持できない可能性があるので、仲介業が扱う商品は簡単なものだけとし、仕組預金、非上場株、外貨建保険、デリバティブ取引などは対象外とする。
手数料は細かく開示すること。また、登録するにあたり賠償資力確保のために保証金を供託すること等が必要となる。

2.消費者契約法

金融商品の取引において金融商品販売法と消費者契約法の両方の規定に抵触する場合は、消費者保護のため両方の法律が併せて適用されます。

1.対象となる契約

消費者と事業者との契約で、労働契約を除くすべての契約が対象となる。

2.契約の取消し

業者の下記1~6のような行為により、消費者が誤認・困惑して契約した場合には取り消しができる。

  • 不実告知
  • 断定的判断の提供
  • 不利益事実の故意または重大な過失の不告知
  • 不退去
  • 監禁、退去妨害
  • 過量な内容の契約

契約の取消権は、追認をすることができるときから1年、または契約締結のときから5年を経過したときに消滅する

3.契約の無効

事業者の損害賠償を免責とする条項や、消費者の利益を不当に害する条項の全部または一部を無効とする。

3.金融商品取引法

1.対象となる金融商品

対象となる金融商品は、有価証券、一定のデリバティブ取引、通貨スワップ金利スワップ取引などで、預金や保険は原則対象にならない。ただし、特定預金や特定保険契約は法律の一部が準用される。

  • 特定預金:外貨預金、仕組預金など
  • 特定保険契約:外貨建保険、変額保険など

2.投資家の区分

投資家をプロ(特定投資家)とアマチュア(一般投資家)に区分し、特定投資家に対する規制を一部緩和している。

3.販売・勧誘規制

1.契約締結前交付書面の交付義務

業者が顧客と契約を締結しようとするときは、重要事項を記載した契約締結前交付書面を交付することが義務付けられている。
一般投資家からの書面交付不要の申出があっても免除されない

2.適合性の原則

顧客の知識・経験・財産の状況・契約締結の目的に照らして、不適当と認められる勧誘を行ってはならない。

3.断定的判断の提供の禁止

4.虚位告知の禁止

5.損失補てんの禁止

4.犯罪収益移転防止法(犯収法)

金融機関等の特定事業者は、顧客と預金契約等の特定取引の際、200万超の現金取引の際、10万円超の現金振込の際には以下の確認が義務付けられている。
2018年よりオンラインで完結する方法も新設された。

個人顧客

  • 本人特定事項(住所・氏名・生年月日)
  • 取引目的
  • 職業

法人顧客

  • 本人特定事項(所在地・名称)
  • 取引目的
  • 事業内容
  • 実質的支配者

5.預金者保護法

偽造キャッシュカードや盗難キャッシュカード被害にあった場合、以下のように補償される。

過失なし軽過失あり故意または重大な過失があった場合
偽造カード被害全額補償全額補償補償対象外
盗難カード被害全額補償被害金額の75%まで補償補償対象外
さらに細かい条件は1級サイトをご覧くださいFP1級Wiki26.金融関連法規

6.金融ADR制度

金融ADR制度は金融商品、サービスに関する顧客と金融機関の間のトラブルについて、指定紛争機関が第三者として中立・公正な立場で間に入り、裁判によらない話し合いでの紛争解決を目指す制度。

7.個人情報保護法

個人情報保護法では、個人情報を取り扱うすべての事業者が「個人情報取扱事業者」として適用されることになっている。
顧客情報保護を高めるため、近年、顧客情報の量を問わず適用されるようになった。

個人情報取扱事業者の義務

  • 個人情報を取得した場合は、その利用目的を本人に通知または公表すること(あらかじめ公表している場合をのぞく)
  • 個人情報を保管する場合は、情報の漏えい等が生じないよう安全に管理すること
  • 個人情報を第三者に渡す場合は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ること
  • 本人から個人情報の開示を求められた場合は、その請求に応じて、個人情報を開示、訂正、利用停止等すること

外部リンク:金融庁,スタディング FP講座

それでは過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問30

金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法といい、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法という。

  1. 金融商品取引法では、金融商品取引業者等が金融商品取引業の内容について広告を行う場合、金融商品市場における相場変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合に表示すべき所定の事項の文字または数字については、その他の事項の文字または数字のうち最も大きなものと著しく異ならない大きさで表示するものとされている。
  2. 金融商品の販売において、金融商品販売法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、金融商品販売法が優先して適用される。
  3. 消費者契約法では、事業者の不適切な行為によって、消費者が誤認や困惑をし、それによって消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をした場合、消費者はこれを取り消すことができるとされている。
  4. 犯罪収益移転防止法では、銀行、信用金庫、保険会社などの特定事業者が顧客等との間で特定取引を行うに際して、顧客等の本人特定事項などを確認する義務を課している。

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解答

助手のウィキ子

条件が両方かぶるような場合でも、消費者を守るのが最優先なのでその両方を適用します。