保険制度と契約者保護制度|FP2級Wiki

ここでは保険契約についての決まりごとや補償制度について学びます。日常に近い範囲になるかと思うので難易度は低めです。

1.保険募集に関する主な禁止行為・基本ルール

1.主な禁止行為

保険業法300条で保険募集人の禁止行為が定められている。
以下の行為は処分や罰則となり、保険会社も業務改善命令が下る可能性もあります。

  • 重要事項の不告知:保険契約の判断に影響を及ぼす重要な事項を説明しない行為
  • 告知妨害:重要な事実の告知を妨げる行為
  • 不当な乗換行為:不利益になる事実を告げずに保険の乗換えを勧める行為
  • 特別な利益の提供:保険料の割引や割戻し行為等
  • 不当な比較表示:他の保険と比較して有利な点のみ表示し誤解を招く行為等

2.保険募集の主な基本ルール

意向把握義務

下記の順序で慎重にお客様の意向にあった商品を勧めていく必要がある。

  1. 顧客ニーズの把握
  2. ニーズに合った保険プランの具現化
  3. 顧客ニーズと提案プランの最終的な確認

情報提供義務

お客様が正しい判断をするために必要な情報は提供する義務がある。

  1. 顧客が保険商品の内容を理解するために必要な情報
  2. 顧客に注意喚起すべき情報
  3. その他保険契約者等に参考となるべき情報の提供

複数保険会社の商品比較推奨販売の場合

  1. 意向に沿った比較可能な商品の概要を明示し、顧客の求めに応じた商品説明
  2. 特定の商品の提示・推奨する際には推奨理由を分かりやすく説明
  3. 募集人の判断で絞り込んだ商品を提示・推奨する場合、商品特性や保険料水準などの客観的な基準や理由等について説明

2.クーリングオフ

申し込みを撤回できる法律。契約者は「契約の撤回についての事項を記載した書面」を交付された日か「申込日」のいずれか遅い日から、その日を含めて8日目までに書面で申し込みを撤回することができる。
契約転換はクーリングオフ対象だが、契約更新は対象外です。
また、医師の審査が終了した契約、自賠責保険などの強制保険、保険期間が1年以内の契約、法人契約などは対象外になる。

3.ソルベンシーマージン比率

保険会社が通常のリスクを超えるリスクに対応する際の支払能力を示したもの。200%を下回ると危険水域。
金融庁から早期是正措置が下る場合がある。

4.保険契約者保護機構

保険会社が破綻した場合に保険契約者を保護する制度。受け皿となった保険会社に資金援助をしてくれます。

国外に本社がある場合も含め、国内で営業するすべての生命保険・損害保険会社は、生保・損保それぞれの保険契約者保護機構への加入が義務付けられていて、これらは代理店で加入した契約も対象となる。
少額短期保険業者や共済は加入していないので対象外となる。

1.生命保険契約者保護機構の補償内容

定期保険や終身保険などの生命保険の保護機構です。

  • すべての保険契約が対象
  • 原則として破綻時の責任準備金※の90%まで補償(高予定利率契約(戻りがいいヤツ)は90%未満の場合もある)

責任準備金(保険金ではない)とは将来の支払に備えて、保険料の一部を積み立てている積立金のこと

★保険金額の100%を守ってくれるわけではないということを理解しておきましょう。

1.基礎率の変更等

保険契約を受け皿となる保険会社に移転する際に、責任準備金の削減や、基礎率(予定利率、予定死亡率、予定事業費率)が変更され、保険金額を減額される場合がある。

2.早期解約控除制度

契約移転後一定期間内の解約請求に対し、契約条件変更からさらに削減される制度を設けることができる。

2.損害保険契約者保護機構の補償内容

自動車保険や火災保険、医療保険などの損害保険の保護機構での補償上限です。

  • 自賠責保険・家計地震保険100%
  • 自動車保険(任意)・火災保険・賠償責任保険等:保険金=80%(3か月以内は100%)、満期・解約=80%
  • 短期の傷害保険・海外旅行傷害保険:保険金=80%(3か月以内は100%)、満期・解約=80%
  • 傷害保険・医療介護保険・所得補償保険90%※(積立保険の満期解約は80%)
  • 年金払積立傷害保険・財形貯蓄障害保険90%

※高予定利率契約は90%未満の場合もある

5.保険法

保険法とは、保険契約を対象として保険契約者の利益の保護・保険者(保険会社)の義務を定めることを目的とした法律で、保険契約者を守るためのもの。ちなみに保険業法というのもあるが、こちらは「業」ですので、金融庁が保険会社を取り締まるための法律といった感じです。混同注意です。

保険法は2010年に施行されたばかり。主な特徴は以下のとおり

  • 共済契約も適用対象
  • 傷害疾病保険(いわゆる第三分野)にも対応
  • 告知のルールが「自発的申告義務」から「質問応答義務」になった
  • 保険金の支払について、合理的期間より遅い場合は保険会社は遅延利息を負担する。
  • 片面的強行規定の導入。保険法規程よりも加入者が不利な約款を原則無効とする
  • 損害保険ルールの柔軟化。超過や重複保険の保険金が対象物の価額を超えても契約を有効とし、超過分の保険料を還付する。
  • 死亡保険加入には被保険者の同意を必須とする。
  • 保険金受取人指定のルールの整備。遺言による受取人の変更も可能。
  • モラルリスク(生命保険の悪用)の防止

外部リンク:㈳生命保険協会,スタディング FP講座

それでは過去問にチャレンジしてみましょう。2021年1月試験 学科 問11

わが国の保険制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.保険業法上、保険期間が1年以内の保険契約の申込みをした者は、契約の申込日から8日以内であれば、書面により申込みの撤回等をすることができる。

2.保険業法で定められた保険会社の健全性を示すソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合、監督当局による業務改善命令などの早期是正措置の対象となる。

3.保険法は、生命保険契約、損害保険契約だけでなく、保険契約と同等の内容を有する共済契約も適用対象となる。

4.日本国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、原則として、破綻時点の責任準備金等の90%まで補償される。

解答

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助手のウィキ子

クーリングオフの問題ね♪
8日目までに書面ってところは当たってるけど、
1年以内の保険契約はそもそも対象外なのよね♪