暦年贈与の計算法は基本的なものが出ます。出題されたら確実に取れるようにしておきましょう。
配偶者控除についての要件や控除額も学習しましょう。

1.贈与税の計算(暦年課税制度)

暦年課税とは暦(こよみ)の1年間(つまり1月~12月の間)にあった贈与について課税するもの。
基礎控除として110万円が使用できます。
残額に特例贈与財産一般贈与財産それぞれの税率を掛けて算出します。

課税価格特例贈与
税率
特例贈与
控除額
一般贈与
税率
一般贈与
控除額
200万円以下10%10%
200万円超 300万円以下15%10万円15%10万円
300万円超 400万円以下15%10万円20%25万円
400万円超 600万円以下20%30万円30%65万円
600万円超 1,000万円以下30%90万円40%125万円
1,000万円超 1,500万円以下40%190万円45%175万円
1,500万円超 3,000万円以下45%265万円50%250万円
3,000万円超 4,500万円以下50%415万円55%400万円
4,500万円超55%640万円55%400万円
特例贈与というのは成人した者が受けた直系尊属からの贈与を指し、一般贈与はそれ以外の贈与を言います。

※表を丸ごと覚える必要はないと思います。

同一年中に特例贈与財産または一般贈与財産のどちらか一方のみを受けた場合

課税価格(贈与価額-配偶者控除(次項)や基礎控除)×税率-控除額=贈与税額 

※両方から贈与を受けた場合の計算は異なります(2級では出ないと思います)

       

2.贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

夫婦間で居住用不動産の譲渡、あるいは居住用不動産の取得資金の贈与があった場合で、一定の要件を満たす場合、最高2,000万円の控除が受けられる。俗に「おしどり贈与」とも呼ばれる。配偶者控除は基礎控除110万円との併用が可能で、同じ配偶者からは一生に一回だけ適用できる、まさに「一生のお願い」ってヤツである。

1.適用要件

  • 贈与時点で婚姻期間が丸20年以上
  • 自らが住むための居住用不動産の授受、またはその取得のための金銭の授受であること。
  • 不動産は国内のものであること。
  • 取得したら翌年3月15日までに居住し、その後も住み続ける見込みがあること。
  • たとえ贈与税がゼロになっても翌年の2月1日~3月15日までに申告書を提出すること。

2.相続時の加算の関係

配偶者が贈与後に死んでしまった場合で、配偶者控除を受けた場合、もしくは受ける予定だった場合、控除額の範囲内の価額については、たとえ死亡3年以内の贈与であっても相続税の課税価格に加算されない。有利。

       

3.納付方法

贈与税は、申告期限まで金銭一括納付を原則としている。
一括納付が困難な場合は一定の要件(納付税額10万円以上等)のもと、延納(最高5年分割)も認められる。
ただし、贈与税の物納は認められない

外部リンク:国税庁,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。2021年1月試験 学科 問53

贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 子が同一年中に父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、同年分の子の暦年課税に係る贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は最高110万円である。
  2. 暦年課税に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、超過累進税率である。
  3. 贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高2,500万円を控除することができる。
  4. 相続時精算課税制度に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、一律20%である。

.

.

.

解答

助手のウィキ子

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)は最高2,000万円です♪