傷害保険・賠償責任保険|FP2級Wiki
傷害保険・賠償責任保険の項目は各保険の微妙な制度の違いが出題テーマになりやすいです。時間を掛けて学習し、うろ覚え脱出をはかりましょう。
1.傷害保険の特徴
被保険者の急激かつ偶然な外来からの事故によって、身体に傷害を被った結果、死亡、後遺障害、医師の治療を要したときに保険金が支払われる。保険金はその他の保障や賠償金とは関係なく支払われる。
簡単に言うと、突然の事故でのケガ・死亡・障害などを補償する保険。他の補償とは関係なくもらえる。
2.傷害保険の商品の種類
普通傷害保険・家族傷害保険
- 国内外、業務中外を問わず、日常生活における身体傷害に対して補償される。
- 被保険者の職業で保険料が変わる。年齢・性別のよる差はない。
- 家族傷害保険は家族全員をカバーする
交通事故傷害保険
- 国内外の乗物(電車・エレベーター、エスカレーターなども含む)との接触、乗車中、道路、建物内外での事故等幅広い場所、交通事故をカバーする
- 保険料に職業での差はない
国内・海外旅行保険
- 旅行での自宅出発から帰宅までを補償する
- 特約により、賠償責任補償、携行物損害補償、捜索救助費用補償、救援者費用の補償、旅行短縮・キャンセル費用等を補償できる
- 細菌性・ウイルス性食中毒を補償する
- 海外旅行保険は疾病も補償する。保険金についてはその実費を支払う。地震・噴火・津波のケガも補償
3.その他の傷害保険の類似商品
- 所得補償保険:国内外を問わずケガや病気で就業不能となった場合、その間の所得を補償(倒産・失業・出産育児は対象外)
- 医療費用保険:被保険者がケガや病気により入院した場合に、公的医療保険を適用した場合の自己負担部分を補償(実損てん補)
- 介護費用保険:被保険者が寝たきりや認知症で医師の診断を受け、介護が必要な状態が継続すると介護にかかった費用を補償。
4.賠償責任保険の特徴
賠償責任保険は、被保険者が偶然な事故により他人に与えた身体障害、財物の滅失、毀損、汚損につき、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する。単独で入るよりも火災保険に付帯するなど、個人賠償責任保険として他の保険に特約付帯するのが一般的。
5.個人賠償責任保険(特約)
加入した家族全員が日常生活において生じた偶然の事故により、他人の身体・生命を害し、または他人の財物に損害を与えた場合に、法律上の賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金が支払われる。
補償の対象
- 一定の家族が日常生活で法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する
- 自転車事故も含む
- 一時的に居住のために利用する別荘の管理に起因する事故も含む
※一定の家族とは、原則、本人・配偶者・生計を共にする同居親族・別居の未婚の子など
補償の対象外
- 家族間での賠償事故
- 業務中に対する賠償事故
- 自動車や原付バイクによる事故(自動車保険の出番)
6.企業向けの賠償責任保険
生産物賠償責任(PL)保険
製造販売(食品含む)、提供したサービス等、もしくは行った作業が原因で生じた事故による対人対物損害賠償責任を補償する。
(例)販売したおもちゃに欠陥がありこどもがケガをした。取り付け作業した看板が落下しケガ人が出た。
欠陥品の修理、取替え、回収費用、不完全な仕事の補修費用、故意・重過失・法令違反を原因とするものは補償しない。
施設所有(管理)者賠償責任保険
施設の構造の欠陥や管理不備、施設で働く者の業務中の事故などで、
来客者など他人が被害を受けた場合に施設所有者や管理者が負う損害賠償責任を補償する。
(例)施設のアトラクションが故障し、来客者がケガをした。自転車で商品配達中に通行人にケガを負わせた。
契約者となる法人の従業員に対する損害賠償は補償しない。 施設のエレベーターについては昇降機賠償責任保険の範囲になるので対象外
請負業者賠償責任保険
建設工事・土木工事などの請負業者が行う業務から生じた事故(他傷・物損など)による損害賠償責任を補償する。
受託者賠償責任保険
お客様の物を預かる業務を行う事業者で、保管する施設内で、保管中の事故により預かった物に損害を与えた場合の受託者が負う損害賠償責任を補償する。倉庫業、ゴルフ場、美容院、レストラン、加工業者が素材を預かったときなども対象になります。
会社役員賠償責任(D&O)保険
会社役員としての業務遂行に起因する損害賠償請求の起訴を受けたことによる損害(損害賠償金、訴訟費用)を補償する保険。言い掛かりによる訴訟費用でも補償する。
7.企業向けのその他の損害保険
機械保険
電気的現象、設計・製作の欠陥、折損・亀裂等の機械的現象、物理的原因による破裂・爆発等の偶然な事故によって機械設備が被る損害を補償する。 火災事故は対象外(火災保険が対象になる)
労働災害総合保険
企業のための労災費用を補償する保険。法定外補償保険と使用者賠償責任保険のふたつからなり、いずれかもしくは両方を選択する。
- 補償対象者は原則として労働者全員(契約社員や短時間労働者は除外も可)
- 政府労災に未加入の事業者は対象にならない。政府労災の給付が決定した時点で補償が支払われる。
店舗休業保険
卸売業、小売業、サービス業等における事故による休業中の営業損失に対して保険金が支払われる。
企業費用・利益総合保険
事務所・工場が火災や爆発等により営業が休止、阻害されたために生じた損失に対して保険金が支払われる。
建設工事保険
不測の事故により、建物の建設工事中に工事目的物に生じる損害に対して保険金が支払われる。
外部リンク:㈳損害保険協会,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。2020年1月試験 学科 問20
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 仕出し弁当を調理して提供する事業者が、食中毒を発生させて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
- 製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。
- 建設業を営む事業者が、請け負った建築工事中に誤って器具を落とし第三者にケガを負わせて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。
- 貸しビル業を営む事業者が、火災により所有するビル内に設置した機械が損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。
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解答
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機械保険は火災は対象外ですね♪