個人の生命保険の税務|FP2級Wiki

生命保険や年金保険の課税関係の問題は2級1級問わず良く出てきます。各保険金ごとにことなる税金の種類も覚えましょう。

       

1.死亡保険金

契約形態によって課税される税金の種類が変わってきますよー。

契約者被保険者死亡保険金受取人税金の種類
AAAの相続人相続税
(500万×法定相続人の人数分が非課税)
AAAの相続人以外相続税(非課税なし)
ABA一時所得として所得税・住民税
ABC贈与税

2.満期保険金・解約返戻金と税金

契約者被保険者受取人税金の種類
ABA一時所得として所得税・住民税
ABA以外贈与税
1年間に一時所得になる保険金が複数件があったなら合計で課税される。黒字や赤字があれば内部通算する。

金融類似商品

契約者と受取人が同一の場合で、以下の要件をすべて満たすものは満期や解約時に金融類似商品として差額利益は20.315%の源泉分離課税になる。

  • 保険期間5年以下。または契約後5年以内に解約※
  • 一時払保険※。(一時払に準ずるものも含む)
  • 普通死亡保障が満期保険金以下であり、災害死亡保険金と入院給付金の限度日数分を足した合計額が満期保険金の5倍未満

※ただし、一時払終身年金や一時払終身保険の場合は解約差益は源泉分離ではなく一時所得として総合課税になる。
金融類似商品であっても死亡保険金として支給される場合は総合課税となる。

       

3.個人年金保険と税金

契約者被保険者受取人税金の種類
ABA雑所得(毎年受け取る年金)
ABA以外年金支払い開始時に贈与税
課税対象部分について雑所得(毎年受け取る年金)

年金を一括で受け取る方法を選択した場合は以下の通りになる。

確定年金

一時所得として所得税・住民税が課されて契約は消滅する。

保証期間付終身年金

保証期間分の一括受取が可能で、その場合は雑所得として所得税・住民税が課される。

       

4.年金受給権に係る権利の評価

年金を受け取る権利を相続や贈与で取得した場合、いずれか多い額になる。

  • 解約返戻金相当額
  • 年金に代えて一時金の給付を受給できる場合、一時金相当額
  • 予定利率等を基に算出した金額

5.入院保険金や生前給付保険金を受け取る場合

非課税

6.リビングニーズ特約保険金・特定(三大)疾病保険金の税金

被保険者または指定代理請求人が受け取る保険金は非課税。ただし、死亡後に現金が残ればそれはもちろん相続税の対象となる。

       

7.契約者配当金の税金

保険契約期間中に受け取る配当金は非課税。満期や解約で受け取る配当金は一緒に課税対象になる。

8.生命保険契約の権利評価額

解約返戻金相当額

外部リンク:国税庁HP,スタディング FP講座

       

個人の生命保険の税務に関する過去問を解いてみましょう。2021年1月試験 学科 問14

生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。

  1. 契約者と被保険者が同一人である終身保険において、被保険者がリビング・ニーズ特約に基づいて受け取った特約保険金は、一時所得として課税の対象となる。
  2. 一時払終身保険を保険期間の初日から4年10ヵ月で解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として課税の対象となる。
  3. 契約者と被保険者が同一人である養老保険において、被保険者の相続人ではない者が受け取った死亡保険金は、贈与税の課税対象となる。
  4. 契約者と被保険者が同一人である医療保険において、被保険者が疾病の治療のために入院したことにより受け取った入院給付金は、一時所得として課税の対象となる

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解答

Wiki技能士

これはテキスト上の但し書きが答えというパターンですね。こういう重箱の隅問題は1級試験に多い手法だったのですが、最近は2級も難化してきたためたまに見られるようになってきています。注意していきましょう。

個人の生命保険の税務