消費税|FP2級Wiki

消費税の非課税の取引、それと免税事業者になる条件、そして簡易課税制度についてしっかり学習しましょう。
また、みなし仕入率は売上高に掛かってきます。仕入ではないのでそこも注意しましょう。

       

1.課税対象

消費税は、日本国内において事業者が、事業として対価を得て行う譲渡、貸付、役務の提供等について課税される。
対して非課税となる取引もある。

主な非課税取引

  • 土地住宅の譲渡、貸付(一カ月以上)←レンタルルームも非課税だとおかしいからだと思う
  • 有価証券等の譲渡
  • 利子、保証料、保険料など
  • 郵便切手類、印紙、商品券、プリペイドカード等の譲渡
  • 学校の授業料、入学金等.教科書用図書の譲渡

2.税率

消費税率は消費税率7.8%と地方消費税率2.2%の合計10%となっています。
また、生活必需品とされるものについては軽減税率が採用されていて、

  • 酒類や外食を除く(テイクアウトは適用)飲食用品
  • 定期購読で週二回以上発行される新聞

これらは8%(内地方消費税1.7%)となります。
※医薬品、医薬部外品は適用対象外(10%)
※紅茶とティーカップのセット商品等(一体資産)の場合、税抜価格が一万円以下で食品の値段の割合が2/3以上の場合のみ対象(8%)となります。

       

3.納税義務者と納税免除

1.原則

課税期間の基準期間(法人:前々事業年度 個人事業者:前々年)での課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税が免除される免税事業者になる。
免税事業者は消費税課税事業者選択届書を提出することで課税事業者になることもできる。
ただし、事業を廃止する場合を除き、原則として2年間は免税事業者に戻ることはできない。

Wiki技能士
[ちなみに]なぜ「消費税課税事業者選択届出書」があるの?

消費税の免税事業者があえて課税事業者になるための書類。
なぜあえて課税事業者になることがあるのか。
消費税の還付が受けられる場合があるからです。
お客さんから受け取った消費税額が、他に支払った消費税額より少ない場合、課税事業者ならば消費税の還付を受けることができます。例えばお客様から80万円消費税を受け取り、仕入れや設備投資などに200万円消費税を支払っている場合などです。

2.新設法人の納税義務の免除の特例

商売始めたばかりだと基準期間が存在しないため、基本的には1年目2年目免税事業者となります。
ただし、資本金が1,000万円以上の場合は免除されません

3.逆に課税事業者となる場合(特定期間)

特定期間(法人:前事業年度前半6カ月、個人事業者:前年1~6月まで)の、
課税売上高が1,000万円を超え、かつ給与・賞与の支払いが1,000万円を超えている事業者は、
たとえ前々年(前々年度)の課税売上高が1,000万以下であっても免税事業者に該当しない。

       

4.納付税額

1.原則課税制度(一般課税制度)

事業者は、お客さんから消費税を預かりますが、そのまま納税するのではなく仕入れ分の消費税額を控除して、差し引いた分を納税する仕組みです。

消費税の納付税額=課税売上高に係る消費税額-課税仕入高等に係る消費税額(実額)

2.簡易課税制度

基準期間での売上高5,000万円以下の法人は簡易課税制度が使えます。
これを適用すると「みなし仕入れ率」を使うことができるので、簡単で時には有利に申告ができるようになります。
なお、この適用を受けるにはあらかじめ「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の税務署に提出しなければならない。
届け出後は、やむを得ない場合を除き原則2年間取りやめできません。

消費税の納付税額=課税売上高に係る消費税額-課税売上高※に係る消費税額×みなし仕入率
※課税仕入高を意識せずに計算できるようになるので簡単です。

事業区分みなし仕入率該当する事業
第1種90%卸売業
第2種80%小売業、農林水産業(食用)
第3種70%農林水産業(食用でない)、鉱業、建築業、製造業
第4種60%飲食
第5種50%運輸、通信、金融、保険、サービス
第6種40%不動産
※試験では表は与えられるので覚える必要はないと思います。

5.申告と納付

法人は原則、課税期間終了翌日から2カ月以内に申告と納税が必要。個人事業主は翌年の3月31日まで。
また、前課税期間の消費税の納付税額によって中間申告が必要になります。

外部リンク:国税庁,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問38

消費税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者は、その課税期間においては消費税の免税事業者となる。
  2. 消費税の課税事業者が行う金融商品取引法に規定する有価証券の譲渡は、非課税取引に該当する。
  3. 消費税の免税事業者が「消費税課税事業者選択届出書」を提出して消費税の課税事業者となったときは、事業を廃止した場合を除き、原則として3年間は消費税の免税事業者に戻ることができない。
  4. 消費税の課税事業者である個人は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

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解答

助手のウィキ子

消費税って私たちにすごく身近なものなのに難問が多いです。
全部ほんとっぽく見える。
1は1,000万円ですね。
3は2年間です。
4は3月31日までなんですよね~。
確定申告と間違うよね~(ノД`)・゜・。