不動産の譲渡と税金|FP2級Wiki
短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率の違いがポイントです。復興特別所得税を忘れずに。
1.分離課税
個人が土地・建物等の売却により得た譲渡所得は、他の所得と分離して所得税・住民税が課税される。
2.譲渡所得金額の計算
譲渡所得金額=譲渡価額-(①取得費+②譲渡費用)
①取得費
取得費=取得に要した金額※+設備費・改良費-償却費相当額
※仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・印紙税などが含まれる
概算取得費
取得費が不明または少額なときは、譲渡価額の5%とすることができる。
相続税の取得費加算の特例
相続により取得した財産を、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡したときは、支払った相続税の一定金額を取得費に加算することができる。
②譲渡費用
譲渡に直接要した仲介手数料・印紙代・測量費・賃借人への立退料・建物の取壊費用、広告費などが譲渡費用になる。
修繕費や固定資産税・都市計画税など資産の維持・管理にかかった費用は含まれない。
3.短期譲渡所得と長期譲渡所得
不動産の譲渡の場合、短期所有と長期所有で税率が異なる。
- 長期譲渡所得:譲渡のあった年の1月1日において所有期間が5年を超える土地建物等の譲渡所得
- 短期譲渡所得:譲渡のあった年の1月1日において所有期間が5年以下の土地建物等の譲渡所得
※取得日や譲渡日は契約日でも引き渡し日でもどちらを基準にしても良い。
※相続や贈与で取得した場合は前所有者の取得日を引き継ぐ。
※収用で代替資産を取得、もしくは固定資産の交換をしたときは譲渡した資産の取得日を引き継ぐ。
所得税 | 住民税 | |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
外部リンク:国土交通省,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。2021年5月試験 学科 問48
個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 譲渡所得のうち、土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下のものについては、短期譲渡所得に区分される。
- 土地の譲渡が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、20.42%の税率により所得税(復興特別所得税を含む)が課される。
- 相続(限定承認に係るものを除く)により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日については、被相続人の取得時期がそのまま相続人に引き継がれる。
- 譲渡するために直接要した仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に含まれる。
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解答
2
15.315%(特別復興所得税2.1%含む)が正解です(^^)/
不動産の譲渡と税金