金融派生商品|FP2級Wiki

FP2級での金融派生商品項目は、オプション取引のプレミアムが出題頻出です。

1.金融派生商品(デリバティブ)とは

金融派生商品の取引を総称してデリバティブ取引といいます。代表的なものは先物取引、オプション取引、スワップ取引です。

2.先物取引

1.先物取引とは

先物取引とは、将来のあらかじめ定められた期日に、特定の商品(原資産)を現時点で決めた価格で売買することを約束する取引。ただし、期日前に、その時点の価格で反対売買(買い建てた場合は売る、売り建てた場合は買う)することで差金決済により取引を終了させることができる。
先物取引は、取引所に上場される取引所取引であり、大阪取引所で行われる長期国債先物取引は、国債の利率や償還期限などを標準化して設定された長期国際標準物を取引の対象としている。

2.先物取引の利用目的

ヘッジ取引

現物と反対の玉(ポジション)を組むことによって価格変動リスクを回避(ヘッジ)する手法。
保有している現物の値下がりリスクに対して先物を売ることでヘッジする「売りヘッジ」と、
現物の値上がりによる収益機会の喪失リスクに対し、先物を買う「買いヘッジ」がある。

裁定取引(アービトラージ)

先物取引の理論価格と現物取引の価格との間に歪み(価格差)が発生しているときに、先物と現物とで割高なほうを売り、割安なほうを買って、その差額を利益とする方法です。

スペキュレーション取引(投機取引)

売買行為によってキャピタルゲイン(資産価値上昇利益)の取得を目的とすること。相場を細かく読み、相場が上がれば売り、相場が下がれば買いを繰り返していく手法。スペキュレーションとは投機の訳。デイトレーダーのイメージですね。

       

3.オプション取引

1.オプション取引とは

オプションとは、対象となる資産(原資産)を、一定の期日までに、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買う権利(コールオプション)もしくは売る権利(プットオプション)のことであり、オプション取引とはその権利を売買する事。取引所取引と店頭取引がある。

2.アメリカンタイプとヨーロピアンタイプ

権利の買手がいつ権利を行使できるかによって、次の2つに区分できる。

  • アメリカンタイプ:権利行使期間中いつでも権利行使できるタイプ
  • ヨーロピアンタイプ:満期日(権利行使日)にのみ権利行使できるタイプ

3.オプション取引の仕組み

買う権利をコールオプションといい、売る権利をプットオプションという。その権利を売買するのでつまり立場は4種類となる。

コールオプション
(買う権利)
プットオプション
(売る権利)
買手コールの買いプットの買い
売手コールの売りプットの売り

コール(Call)はこっちに呼んでるので買うほう、プット(put)はピュッと吹き出すこと。出すので売るほう。このように覚えましょう。

価格が上がる前にコールオプションを買ったり、下がる前にプットオプションを買っておけば得する訳です。

       

4.オプション・プレミアム

オプションの買手が売手に払うオプション料のことを、プレミアム(オプションプレミアム)という。

4-2.プレミアムの価格決定要因

プレミアムと原資産価格の関係

  • 原資産価格が高い時=コール:プット
  • 原資産価格が低い時=コール:プット

プレミアムと権利行使価格の関係

  • 権利行使価格が高い時=コール:プット
  • 権利行使価格が低い時=コール:プット

プレミアムとボラティリティ(価格変動率)の関係

  • ボラティリティが上昇=コール:プット
  • ボラティリティが低下=コール:プット

プレミアムと残存期間の関係

残存期間については長いほうがいろんなリスクがあるので、長いほうが高くなる。

       

4.スワップ取引

現在価値が等価とされる2つのキャッシュフロー(金融取引から発生する現在から将来までの現金の受払いの事)をお互いの合意した条件のもと、交換する取引で、店頭取引で行われる。その代表として、固定金利と変動金利を交換する金利スワップと異なる通貨の元利金を交換する通貨スワップがある。

外部リンク:日本証券業協会,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。2020年9月試験 学科 問26

金融派生商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 元本を交換せずに将来にわたって金利のみを交換する通貨スワップを、クーポンスワップという。
  2. 将来、現物を取得しようとしている者が先物取引で買いヘッジを行うと、実際に現物の価格が上昇した場合には、現物取引では取得コストが上昇する一方、先物取引では利益が発生するため、現物取引の取得コストの上昇を相殺することができる。
  3. プット・オプションの売り手の最大利益は無限定であるが、コール・オプションの売り手の最大利益はプレミアム(オプション料)に限定される。
  4. コール・オプションとプット・オプションのいずれも、他の条件が同一であれば、満期までの期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は高くなる。

.

.

.

解答

Wiki技能士

プットオプションであろうがコールオプションであろうが、
オプションの販売の利益はプレミアム(オプション料)のみです。